ゲームな世界 No.4
小松 郁
第4章
ふと目が覚める。
朝の淡い日差しが窓から入ってきている。
ここはどこだ?
周りを見渡す。
ホテルにでも泊まったか?
と、何となく記憶を探っていると昨日の記憶が蘇ってくる。
思わず胸に手をやる。このラインより上のエリアが無料で表示されます。
あーまだ続いてる。
柔らかな膨らみがあった。
ふう今は何時だろう。
寝過ごしたらまずい。
と、手のひらをこすり時間を確認する。
良かった、まだ朝の6時前だ。
ふわーと伸びをして顔から髪をこすりながら起き上がる。
手を伸したり腰を反らしたりして柔軟を行なう。
さて準備には時間がかかりそうだ。
風呂場に入り込みトイレと歯磨きを済まし髪を何とか昨日の状態に戻そうとする。
中々難しい。
編み込みなどやってる髪型でなくて良かった。
到底出来そうにない。
まあクシでとかしながらそれっぽくした。
何か違うがしょうがない。余裕がある時に練習していこう。
なんか化粧水とか着けるんだよなとそこら辺にあるケア用品類を探る。
薄化粧で良かった。
なんか白っぽい液体を顔に塗る。
後は精々リップを塗ってるぐらいか?
いや目元も昨日とちょっと違うぞ?
と、震えながら女がよくやってるまつげをカールさせる道具があるので使う。
まあ普通の高校生ぐらいならこんなもんか。
顔の方は昨日との違いはあまり無いようには感じる。
後はパジャマを脱ぎ大変そうな制服の着替えに入る。
風呂場を出てパジャマを脱ぎまた元のハンガーに戻す。
昨日の制服を取り出しあれこれ試行錯誤しながら制服をなんとか昨日の状態に戻そうとまた必死になってしまった。
手のひらをこすって時間を見るともう7時近かった。
朝食に間に合うかなと焦って昨日のバッグをまとめ直して背負って下に降りて行く。
食堂はまだまばらで制服を着ている人などいなかったから少し気恥ずかしくなったが、取り敢えず昨日の夕食の手順で朝食は出てないかなと探りに行く。
どうやらもう支給開始されているらしい。
私は手のひらをかざしトレーに乗った朝食セットを受け取った。
そうして昨日と同じ席に着くともぐもぐ食べ始めた。
まあ何かいきなりの学生生活だけど何とかなるかなとぼんやり考えながら食べる。
元の世界に戻ってもこの世界にいてもどちらでも別に良い。
その時、おはよーと紀子さんが声をかけてきた。
早いね、朝。私これからだよー。
と、私の前の席に座ってきた。
おはようございます。
あ、一緒に学校行きませんか?
良いよ。でも時間かかるからちょっと待っててね。
はい。
彼女は急いで朝食を食べているようで食べるのに必死だ。
私は手のひらをこする。7時半頃だった。
じゃあ私急いで準備するから寮の門で待ち合わせしよ。
ええ、お願いします。
彼女と一緒にトレーを返していたら彼女はまた手をかざし弁当を受け取っていたので私も同じように弁当を受け取った。
また後でねーと紀子さんと別れ私は洗濯機が置いてあるスペースらしきものはないかと寮を探索する事にした。
朝は皆慌ただしくどんどん女性徒と私は逆方向に進もうとするのでぶつからないようにするのが大変だった。
また帰ってからで良いか。
また食堂に戻り手のひらをこすりプロジェクションで音楽やら映画や本の類いをさがす。
映画や本は色々とあるようだ。
映画や本の類いの目録を色々見ていく。
うん、まあ映画や本やらは当時からかなり作られているようだ。
ただ私の生活していた頃の本や映画はもう古典になってるようだ。
その頃の作品は著作権も切れているのか知らないが大量に見たり読んだりできる。
そうこうしてるうちに時間を見るともう8時を過ぎていたので私は急いで寮の門に向かった。
まだ寮の門には紀子さんの姿はなかった。
しばらく色々と通り過ぎていく生徒達におはよーとか声をかけられるのでおはようございますと手を振って待っていた。
ごめーん、待った。
紀子さんがやや駆け足でやってきた。
いえ、大丈夫です。
また付き合って貰ってすみません。
良いよー。
私たちは学校に向かって一緒に歩み始めた。
今日はまた授業色々あるね。
そうですね。
あの、もし良かったら勉強一緒にしませんか?
あ、私勉強苦手だよ。
私も苦手です。一緒に勉強できたら良いです。
そうねーわかった。また時間決めよっか。
はい。
あの、スポーツとか部活も見られたら良いです。
何か興味ある物あるの?
いえ、ちょっと色々見てみたいなって思って。
うん、それもまた今度帰りに回ってみよっか。
小鳥のさえずりは盛んだ。
私は頭に少し血が上るのを感じながら聞いてみた。
あの紀子さんって好きな人とかいるんですか?
どうかなー。教えてくれたら教えるよ。
い、いえ芸能人とか?
あー色々あるよねー。
そういうの色々教えて欲しいです。
うん、いいよ。また色々情報交換しようね。
はい、お願いします。
少し黙って考え込んでると紀子さんがどうしたの?と聞いてきた。
なんか人生って面白いですね。
うわーすごいこと言うね。あなたやっぱりちょっと検査した方が良いんじゃ無い?
あはは、そうかもしれないですね。
校舎への道は桜の花で鮮やかなピンクに染められている。
私は何となくぼーとしながら目尻を抑えながら笑っていた。
完