次世代インフラ(5G、AI)を向かえるにあたっての未来の産業構造像、経済底上げ、人間的尊厳の再構築
著:小松 祐一
2.集約化されるブランド、高度専門施設
産業を効率化する上で欠かせないのがこの集約化というプロセスです。
例えばフランチャイズなどブランドを押し出したマーケットが各地のオーナーなどと連携してブランド使用許諾などとともに地域における店側の認知度や親和度を上げてウィンウィンの関係を構築するといった流れが高度成長期にありました。
この様な流れはIT技術の進歩によってますます中央集約型の流れが加速されると推察されます。
例えばフランチャイズではその店舗の購買層、効率的な稼働時間、品揃えなどを中央で把握することによりベストマッチングな店舗運営が出来るようにオーナーをサポートしていくような流れになります。
これにより追加投資や事業採算計画などがブランドとしてもオーナーとしても立てやすくなります。
こういった流れは5GやAIの登場によって更に高度化し専門的になっていきます。
通信速度が従来より数十倍になる5Gでは動画転送・ロボットアーム、ペルソナロボットなどのリモートコントロールによる専門家が現地にいなくてもその場に高度な専門家が常駐する事を可能にします。
この流れはIT業界などから始まりあらゆる業務がネット上で遂行されるような流れが形成されていくかもしれません。
この分野で特に期待されるのがAIでありAIは専門家のサポートを行なってその高度な専門家の業務処理能力を更に向上させていきます。
また専門家のルーチンワークなどの業務処理などを学習することによって専門家の業務負担を代わりに行なうことでその専門家の負担を軽減させます。
こういった形で人はかなりの部分、創造的な仕事が行えるようになっていきます。
今の産業構造は人がロボットのように決められた手順の仕事を行なうことでその産業を維持していますが労働者の方はこれがロボットの手に奪われるのでは?とかなり不安に思われている方も多いと思います。
ただ人はそのような単純作業から解放されて複数のロボットを従えた労働監督者になると言った形でこの様な労働の不安は解消されます。
人が単純作業を延々と行なうのは非常に苦痛の元であり、より上位の仕事にたち生産管理マネジメントを策定、実践するといった労働にシフトしていくのはより人間らしい働き方が出来るようになる状況が整備されるのではないかと思います。
そしてこういった流れは業務集約化のプロセスを押し進めていきます。
ここで人に必要なのは学習ですがまたAIはAI自身でも学習してくれますのでAIが人に応じた働き方をマネジメントするといった流れも出来上がります。
これはAIに使われる身になるのかと少し気分を悪くされる方も居るかもしれませんがAIは人間のように娯楽も何もありません。
人はそのような娯楽を楽しむ権利を持っています。
AIが効率的な学習指導プランまで立ててくれれば業務上その事を人は学習するだけで済むようになり人はより自分らしい個性を持った1人の人間として大切になる自分の時間が大幅にもてるようになります。
そこでは別にAIの学習プランに従う必要は無く業務を離れてまた別の場所で自分の能力を多動的に発揮するといった可能性も見えてきます。
話はそれましたが何より業務集約化のプロセスは近代産業において限られた時間で膨大な仕事量をこなす上で欠かせない事柄になります。
業務集約化が進んでいない例えば医療現場・教育現場などなどで従事者の方が仕事量の多さに悲鳴を上げていると言った話は良く耳にされるかと思います。
これらは全て業務集約化の流れによって解消される可能性をもったものです。
全てを1人でやろうとすることは膨大な仕事量を抱え込むことになります。
これにはちょっとピンと来る方は多いかもしれません。
ここを業務の集約化によって適材適所で臨機応変に課題解決を遂行するといった流れは近代産業構造の上でなくてはならない課題です。
更には集約化プロセスによって外部委託型ビジネスというものも盛んになっていくと推察されます。
専門分野はその道の専門家に任せてしまうのが一番低コストで高効率です。
別に専門家にその専門分野を委託したところで現場監督者という自分の立場は揺らぐ事は無いのです。
これには安心される方も多いでしょうか?
現状に不満を漏らすだけではなく、現状のオフィスの業務改革といったものにこの本を読まれている方はよく思索を巡らせて頂ければと思います。
以上、業務集約化や中央集約化などについて述べていきましたがここで重要になるのは人同士やAIとの連携です。
5Gもインフラとしての活躍は期待されますが最終的には人同士が円滑に協力し合って業務を着実に完遂していくといったことがより短時間集約型の労働プロセスに移行するためにも重要です。
長時間残業などは1人で業務を抱え込んでいつまでも終わらない悪夢を見ているだけの話で生産性の欠片もありません。
業務集約化のプロセスによってサバサバっと仕事などは解決して休みを早く作り後は余暇を楽しむ事が出来るように人は成ります。
そしてこの余暇を楽しむという行動が地域の産業や経済の更なる発展に寄与します。
ここで続々と卵を産む経済共同体を形成していくことがかなりこの業務集約化・中央集約化が目指すビジョンです。
如何でしょうか?
人は単純作業で部品を組み立てるだけ工場ラインでただ仕分けするだけと言った作業からどんどん開放されていきより高度でタクティカルな業務を遂行するようになります。
これが私たちが目指す未来の経済構造のビジョンとなります。