産業における電力供給の重要性と電力バブルへの期待

                          著:小松 祐一

3、電力自動車(EV)、ドローン、そして温暖化対策への電力による対処

現在製造業のパラダイムシフトとしてエンジンからモーターへの流れがありますがこれは止められない流れになっています。
日本の車産業の特筆すべき点の一つであった安価なガソリンエンジンの市場シェアが揺らぐ訳ですがこれはどうしようもない時代の流れではあります。

また時代の必然として独占的な資本を既に形成しているトヨタや日産その他大手自動車会社など自動車会社がガソリンエンジン車からモーター車に変わったところで日本の丁寧なモノづくりを行っていけば別段市場シェアを奪われる恐れも大してありません。

問題はそれにまつわる関連子会社の動向となってきますがここは安価な部品製造会社などに市場シェアを奪われないようにしなければいけません。

ただ逆に言えば戦略的経営を行っていけば部品製造業のビッグガリバーとして存在できる可能性も大いにありますので製造業の方々は頑張っていただきたいものです。

またガソリン小売ですがこれはかなりのダメージを受けることは必須でいかに素早く電気供給スタンドへシフトしてゆくかも問われます。

ただ電気自動車はバッテリーの過積載や寿命など問題も多くクリアしなければならない課題はたくさんあります。

世界的な政策の流れとしてEV車にシフトしてゆくことが決定しているわけですが実務上の運用課題は多くこれは大きく後ろ倒しになる可能性もあり政策転換も十分にあり得ます。

ここら辺は車が電気で動くことによりガソリンエンジンの電力供給源からモーターの電力消費源になるわけでエネルギー補完関係が崩れる点からも政策がこのまま施行される一方かというと疑問な点は多々あります。

またドローン産業などに日本メーカーが乗り出すかは別として(日本の航空規正法では自家用ドローンなどを持つことが面倒くさい事情もあり市場シェアが伸び悩むことが予測されます。よって国内シェアが育たないため世界的な競争力が持てません。)とりあえず韓国や中国などからドローンの輸入やライセンス販売は行われるでしょうからこのドローンの補給戦略を立てる上での電力供給網は大切になります。

ただドローンもガソリンエンジンとモーターで現在かなり路線の確定に苦労しているようです。

ガソリンエンジンはやはり排ガス規制の問題など大きな問題をはらむものですが近年になって大気中の2酸化炭素を銅と炭素の混合触媒と電力を使ってエタノールに変換するといった実験も成功したようですからこれが成長産業の軌道に乗ればもしかしたらある程度の2酸化炭素排出は許容されてゆくかもしれません。

ただここでも2酸化炭素をエタノールに変換するために膨大な電力が必要とされることになるので電力特需は別段揺らぐことはありません。

むしろ温暖化対策にまで電力が利用できるという事は明るい未来像となりうるでしょう。

自動車業界は今ガソリンエンジンかEV車かどちらの成長戦略を描けずに苦心している様に見えますがどちらにしてもEVへの研究開発は莫大な利益を生むでしょうしまた従来からのガソリンエンジンも莫大な利益をこれからも生み続けるといった方が正しいかもしれません。

むしろその地球環境対策は周辺のリサイクル産業を活性化することで回避することも非常に効率的な施策です。

そのリサイクル産業からは莫大な富が産まれ億万長者が何万人と出てくるでしょう。
その手法が電気還元かは別として処理ラインにおいても電力が必要とされることは必然なので当然電力に左右されることになります。
プラスティック等はこの本にはあまり環境無いので詳細には触れませんがプラスティックの分解還元処理などの技術でも処理ラインにおいては確実に電力は重要になる事でしょう。

EV車やドローンなどに関してはどこまで広く普及するかは政策主導のご都合主義という事もあり少し疑問視される点ではありますが既にこの分野への投資は盛んですので緩やかにガソリン自動車と共存してゆく形にはなるかと思います。

ただ現在のEV車やドローンのバッテリーパックではリチウムイオン電池などが2019年度のノーベル賞を受賞しましたがリチウムイオン電池ではまだまだ主要産業を維持できる性能があるかというとやはり疑問視されますので其処はよく注意深く見守ってください。

こういった観点からEV車などの普及には数十年のサイクルが必要で自動車産業の早急な変革はごく微小なものにとどまり周辺のリサイクル産業などの設備の電力調達量がうなぎ登りに上昇するのでは?と筆者は見ていますが如何でしょうか?

部品メーカーなども多様なラインナップを揃えなければいけませんがそこはガソリンエンジン車用とEV車用の部品メーカーが並立するような形になるかもしれません。

やはり100年近く主要産業を主導してきたガソリンエンジンはとても性能がよく早急には廃棄できない技術と推察されます。
またEV車は新規投資先として魅力的な市場になるでしょう。

これはガソリンエンジンもEV車もどちらも勝ち組であるという事です。
ドローンもガソリンエンジンとモーターが用途に応じて使い分けられるでしょう。

ただし繰り返しになりますが周辺環境は確実に電力調達量が急上昇することに間違いは無いかと思われます。

ここで補足ですが水素エンジンなどは車載としては既に問題点ばかりで実用化には至らないでしょうが水素エンジンを利用した発電所用途などには十分利用できる可能性があります。
水素エンジンは実質的に水を電気分解して水素を取り出すためにエネルギー回収率の向上が問題ですが水資源や電気資源の豊富な土地から水資源と電力資源の少ない土地へ水資源を運搬する目的と電力資源のエネルギーを再生産する目的で効果的に使われるかもしれません。

こちらの水素エンジンはよりコンパクトな発電所で離島などの水資源供給とエネルギーの平等な地域分配に役立つかと思われます。

水素エンジンに関してはちょっと特殊な使われ方ながら使い方による利便性の向上が大きな目的になるかもしれません。

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